ジアニスト

2020年2月13日

動画

画像

正面

後面

梱包状態

取扱説明書

取り扱い説明書

専用ボトル

 

噴霧器

噴霧器とのセット

噴霧器箱状態
噴霧器正面
噴霧器上部

仕様

ブランド名ジアニスト
商品名次亜塩素酸 ジアニスト 2500ml
JAN:4562217248447
内容量特許製法 ジアニスト 内容量 次亜塩素酸500ppm 2500ml
特徴「ジアニスト」は水と塩、二酸化炭素を使い「特許製法」により生まれた微酸性の次亜塩素酸です。@2500円4袋セットジアニストは10倍希釈で各種除菌試験クリア。出荷時の浮遊塩素濃度は500ppmと高濃度の為、希釈して大容量の次亜塩素酸水としてお使い頂けます。原液の場合は、吐しゃ物・ペットの汚物・カビ等の除菌・消臭に、また10倍(50ppm)に希釈すれば部屋中の幅広い除菌・消臭剤として使えます。専用の超音波噴霧器を使った空間除菌※としても活躍致します。細菌(アルコールでは効かないウイルス等※)には強く機能しますが、有機物に触れると水に戻るため、植物や人には優しく、清潔にしたい赤ちゃん用品にも使えます。
その他、ペットからする多湿時の獣臭やおしっこ臭、トイレのアンモニア臭、タバコや汗の臭い、靴やスリッパの嫌な臭い、生ごみや、洗濯物の生乾き等、細菌が繁殖する事で発生する嫌な臭いに効果があります。花瓶のお水に10倍に希釈した次亜塩素酸を入れておくと水が腐りにくく、お花もイキイキと長持ち致します。※第三者機関にて10倍に希釈した50ppmで約6畳の試験空間内における専用噴霧器試験において浮遊菌の残存テスト、約45分後に99.9%以上の除菌性能を確認。その他、ウイルス抑制、細菌除菌、カビ除菌、花粉、皮膚刺激性試験、食品添加物規格基準にも合格済み)
※本品は多数のエビデンスを取得しておりますが医薬品区分ではなく、拭取除菌雑貨で登録しております。本製品は水と塩から作り出した次亜塩素酸ナトリウムをベースにした、超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液(特許第6122139号 )です。次亜塩素酸ナトリウムより除菌力が高く刺激の少ない微酸性次亜塩素酸水と同等な性質があります。
使用方法アルコールでは消毒できないウイルス、菌、花粉アレルゲン、カビ、菌が繁殖する事で発生する悪臭の消臭に使える除菌消臭水です。有機物に触れると水に戻りますので自然にも優しいです。原液のまま、もしくは用途に合わせ希釈してお使いください。
専用の超音波噴霧器を使った空間除菌99.94%も実証済みです。(6畳のお部屋、北里環境科学センターにて)
その他食品分析センターにて、除菌、ウイルス抑制、花粉アレルゲン抑制、カビ除菌、皮膚刺激性試験等も実証済み
使用上のご注意○小児の手の届かないところに保管してください。
○他の製品との併用は避け、必ず単独で使用してください。
○本品は金属・樹脂・ゴム等を変質させる可能性があるため、使用後は水拭きしてください。
○用途以外に使用しないでください。
○使用例の濃度と対象物は一つの目安です。対象に対する影響が不明な場合、最初は薄い濃度で試して様子を見てください。
○シミ・変色などの心配があるものは、目立たない部分で必ずお試しの上ご使用ください。
○高温および直射日光を避け、冷暗所に密栓して保管してください。
○品質保持期限は、未開封の場合で製造より約3ケ月です。購入後は製品の効果を考えて、3ケ月以内に使い切ってください。また、開封後はなるべく早くご使用になることをおすすめします。
○希釈後やすみやかに使い切ってください※保管条件によって濃度は下がる場合があります。
成分水、塩化ナトリウム(食塩)、二酸化炭素
区分日本製・雑貨 特許第6122139号「超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液製造方法」にて製造
JANコード4562217248447
販売元エスエーシーラボ株式会社
正規取扱店舗大名町スキンクリニック、メディカルビューティセンター、荻原歯科医院、福井レーザーセンター、株式会社ファヴールマルシェ、その他大手ペットショップ等

エスエーシーラボ株式会社

https://www.vitaminlabo.com/products/zianisuto/

 

 

 

微酸性次亜塩素酸水とジアニストの違い

次亜塩素酸

厚生労働省が定める次亜塩素酸水とは、殺菌科の一種であり、塩酸または食塩水(塩化ナトリウム水溶液)を電気分解する事により得られる次亜塩素酸【化学式:HCIO】を主成分とする水溶液とされています。

また、製法やpH、有効塩素濃度も定義されており、次亜塩素酸水はpH2.7以下の強酸性次亜塩素酸水(有効塩素濃度20ppm~60ppm)と、pH2.7~5.0の弱酸性次亜塩素酸水(有効塩素濃度10ppm~60ppm)、pH5.0~6.5の微酸性次亜塩素酸水(有効塩素濃度10ppm~80ppm)に分けられます

微酸性次亜塩素酸水の製法についてご紹介

厚生労働省が定める微酸性次亜塩素酸水の製造方法は「適切な濃度の塩酸又は適切な濃度の塩酸に塩化ナトリウム水溶液を加えて適切な濃度に調整した水溶液をを無隔膜電解漕(隔膜で隔てられていない陽極及び陰極で構成されたもの)内で電解して得られる水溶液」と定めています。日本では平成14年(2002年)の6月に食品添加物として指定されております。

食品添加物として認定された次亜塩素酸水は上記のように製法や有効塩素濃度の含有量が定められており、さらに無色の液体であり、臭いがないか、またはわずかに塩素の臭いがあり、性状としても3つの確認試験や、蒸発残留物試験(0.25%以下)等も定められています。※確認試験とは厚生労働省が定義する「食品添加物公定書」にて定義されています。

ジアニストと次亜塩素酸水の違い

ジアニストは、食塩水(塩化ナトリウム水溶液)を電気分解する事で次亜塩素酸イオン【化学式:CIO-】を主成分とする次亜塩素酸ナトリウム水溶液を生成し、さらに除菌効果を高める為に二酸化炭素をバブリングする特許技術を使い、微酸性(pH5.7)の次亜塩素酸【化学式:HCIO】を主成分とする微酸性次亜塩素酸水溶液を作り出しております。
※除菌力は、次亜塩素酸イオンを主成分とする電解水より次亜塩素酸を主成分とする電解水の方が約80倍も高い除菌力があります。
※微酸性次亜塩素酸水溶液は塩素ガス(CI2)をほとんど含みません。
※また、トリハロメタンの生成試験においても、日本の水道水水質基準値以下であり安全です。

厚生労働省が定める図に示すと、ジアニストは「微酸性電解水」に位置づけされます。


厚生労働省が定める概念的位置をみると、ジアニストを水で10倍に希釈した場合、次亜塩素酸水の中に位置づけされます。

ジアニストは

出荷時は希釈してお得に使えるように有効塩素濃度(遊離残留塩素)を500ppmにしておりますが、水道水で10倍に希釈することで、約50ppmの微酸性次亜塩素酸水溶液になります。

食品分析センターで調査したところ「食品添加物公定書」にて定義されている3つの性状確認試験や純度試験(蒸発残留物0.25%以下)、pH、有効塩素濃度も食品添加物規格基準に記される微酸性次亜塩素酸水と一致している事を確認しております。つまり、ジアニストは厚生労働省が食品添加物として定める微酸性次亜塩素酸水の定義にそっており微酸性次亜塩素酸水と同等だと言えます。

微酸性次亜塩素酸水の殺菌力は以下が確認されております。

その他、微酸性次亜塩素酸水は、野菜加工(野菜の洗浄や殺菌、工場内の洗浄殺菌、作業中の手洗い)や豆腐加工、精肉加工、水産加工、プールや温泉施設(1ppmにて)利用されています。

ジアニスト独自でも超音波噴霧器に10倍に希釈したジアニストをいれて99.94%の空間除菌(黄色ブドウ球菌)やインフルエンザウイルスの不活性化試験(1分後)、クロカワカビの除菌テスト、スギ花粉アレルゲンの不活性化、皮膚刺激性試験にて刺激なし等その他さまざまなエビデンスを確認しております。

参考文献
第9版食品添加物公定書
次亜塩素酸水
解説上で利用されている図は、厚生労働省の「次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムの同類性に関する資料」より抜粋しております。

次亜塩素酸水とジアニストの違い

https://www.vitaminlabo.com/products/aboutzia/

  

 

 

会社概要  

設立平成14年 3月12日 設立
会社名エスエーシーラボ株式会社
代表取締役社長木村 都是
住所910-0017 福井県福井市文京2-17-33
TEL0776-22-8841
MAILinfo@vitaminlabo.com
主要取引先株式会社エクセレントメディカル、株式会社キャピタルビューティージャパン、株式会社ファヴールマルシェ、株式会社コモドール、株式会社ネットショップ支援室(受注管理システムを採用)、運営店舗:ジアニスト楽天市場店、ヤフー店、Amazon店

 

 

 

特許

特許第6122139号(P6122139)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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▶ 古米 保の特許一覧特許6122139超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の製造方法及び使用方法書誌要約請求の範囲詳細な説明課題実施例実施するための形態図面の説明目に優しい 文字サイズPDFTop<図1>

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)(12)【公報種別】特許公報(B2)(11)【特許番号】6122139(24)【登録日】2017年4月7日(45)【発行日】2017年4月26日(54)【発明の名称】超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の製造方法及び使用方法(51)【国際特許分類】   C02F 1/46 20060101AFI20170417BHJPA61L 9/14 20060101ALI20170417BHJPB01F 3/04 20060101ALI20170417BHJPC02F 1/66 20060101ALI20170417BHJPA61L 2/18 20060101ALI20170417BHJPB01F 5/06 20060101ALI20170417BHJPB01F 1/00 20060101ALI20170417BHJPA61L 9/01 20060101ALI20170417BHJPA01N 25/02 20060101ALI20170417BHJPA01N 59/00 20060101ALI20170417BHJPA01P 3/00 20060101ALI20170417BHJPA01P 1/00 20060101ALI20170417BHJPA01N 3/02 20060101ALI20170417BHJPA23L 3/358 20060101ALN20170417BHJPA61L 101/06 20060101ALN20170417BHJP【FI】   C02F1/46 Z   A61L9/14   B01F3/04 Z   C02F1/66 510Z   C02F1/66 522B   C02F1/66 540Z   C02F1/66 540E   A61L2/18   B01F5/06   B01F1/00 A   A61L9/01 F   A01N25/02   A01N59/00 Z   A01P3/00   A01P1/00   A01N3/02   !A23L3/358   A61L101:06【請求項の数】7【全頁数】25(21)【出願番号】特願2015-547336(P2015-547336)(86)(22)【出願日】2013年11月14日(86)【国際出願番号】JP2013080812(87)【国際公開番号】WO2015071995(87)【国際公開日】20150521【審査請求日】2016年9月26日【早期審査対象出願】(73)【特許権者】【識別番号】500405923【氏名又は名称】古米 保(73)【特許権者】【識別番号】500405945【氏名又は名称】葭田 隆治(73)【特許権者】【識別番号】516186289【氏名又は名称】大木 俊昭(73)【特許権者】【識別番号】395019007【氏名又は名称】河村 英人(73)【特許権者】【識別番号】505338800【氏名又は名称】株式会社ジャパン・フラワー・コーポレーション(73)【特許権者】【識別番号】502258598【氏名又は名称】株式会社石橋(74)【代理人】【識別番号】100095430【弁理士】【氏名又は名称】廣澤 勲(72)【発明者】【氏名】古米 保(72)【発明者】【氏名】葭田 隆治(72)【発明者】【氏名】大木 俊昭(72)【発明者】【氏名】河村 英人(72)【発明者】【氏名】松村 光祥(72)【発明者】【氏名】石橋 隆二【審査官】 金 公彦(56)【参考文献】【文献】 国際公開第2013/125051(WO,A1)【文献】 国際公開第2013/129245(WO,A1)【文献】 国際公開第2009/031711(WO,A1)【文献】 特開2009−072649(JP,A)【文献】 特開2010−005130(JP,A)【文献】 特開2001−089226(JP,A)【文献】 特開2011−173858(JP,A)【文献】 特開平07−330502(JP,A)【文献】 特開2011−224526(JP,A)【文献】 特開2013−017963(JP,A)【文献】 特開2009−297654(JP,A)【文献】 特開2010−115639(JP,A)【文献】 特開2010−254661(JP,A)【文献】 特開2005−000238(JP,A)(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)C02F 1/46−1/50C02F 1/66A01N 3/02、25/00、59/00A61L 2/18、9/14DWPI(Thomson Innovation)(57)【特許請求の範囲】【請求項1】所望の有効塩素濃度に調整した電解次亜水あるいは次亜塩素酸ナトリウムを含む水溶液に、二酸化炭素ガスボンベから二酸化炭素ガスを導入し、窒素ガスボンベから窒素ガスを導入し、これにより前記二酸化炭素ガスと前記窒素ガスのみを前記水溶液に溶解させて、pH5〜pH6に調整した後、その水溶液をマイクロバブル発生装置に導通することによって、前記二酸化炭素ガスと前記窒素ガスを含む平均粒径0.05μm〜2μmの超微細気泡を、前記水溶液中に形成することを特徴とする超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の製造方法。【請求項2】前記マイクロバブル発生装置は、前記水溶液を加圧した後、マイクロバブル発生ノズルに通して、前記超微細気泡を前記水溶液中に発生させる請求項1記載の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の製造方法。【請求項3】中空糸膜を内蔵した中空糸カートリッジ内で、所定量の水道水に二酸化炭素ガスと窒素ガスを導通させ、これにより前記中空糸膜を介して水道水に前記二酸化炭素ガスと前記窒素ガスのみを溶解させ、前記二酸化炭素ガスと前記窒素ガスを含む超微細気泡を有したpH5〜pH6の微酸性水溶液を調製した後、この微酸性水溶液に、電解次亜水あるいは次亜塩素酸ナトリウム水溶液を注入して、前記二酸化炭素ガスと前記窒素ガスを含む平均粒径0.05μm〜2μmの前記超微細気泡を含有しpH5〜pH6の微酸性次亜塩素酸水溶液を製造することを特徴とする超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の製造方法。【請求項4】所望の有効塩素濃度に調整した電解次亜水あるいは次亜塩素酸ナトリウムを含む水溶液に、二酸化炭素ガスボンベから二酸化炭素ガスを導入し、窒素ガスボンベから窒素ガスを導入し、これにより前記二酸化炭素ガスと前記窒素ガスのみを前記水溶液に溶解させて、pH5〜pH6に調整した後、その水溶液をマイクロバブル発生装置に導通することによって、前記二酸化炭素ガスと前記窒素ガスを含む平均粒径0.05μm〜2μmの超微細気泡が前記水溶液中に長期間滞留している超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を設け、この超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を、有効塩素濃度1ppm〜20ppm、pH5.0〜pH6.7に調整して容器に注入し、切花を前記微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液中に差して水揚げを行うことを特徴とする超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の使用方法。【請求項5】中空糸膜を内蔵した中空糸カートリッジ内で、所定量の水道水に二酸化炭素ガスと窒素ガスを導通させ、これにより前記中空糸膜を介して水道水に前記二酸化炭素ガスと前記窒素ガスのみを溶解させ、前記二酸化炭素ガスと前記窒素ガスを含む超微細気泡を有したpH5〜pH6の微酸性水溶液を調製した後、この微酸性水溶液に、電解次亜水あるいは次亜塩素酸ナトリウム水溶液を注入して、前記二酸化炭素ガスと前記窒素ガスを含む平均粒径0.05μm〜2μmの超微細気泡が前記水溶液中に長期間滞留しpH5〜pH6の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を設け、この超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を、有効塩素濃度1ppm〜20ppm、pH5.0〜pH6.7に調整して容器に注入し、切花を前記微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液中に差して水揚げを行うことを特徴とする超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の使用方法。【請求項6】所望の有効塩素濃度に調整した電解次亜水あるいは次亜塩素酸ナトリウムを含む水溶液に、二酸化炭素ガスボンベから二酸化炭素ガスを導入し、窒素ガスボンベから窒素ガスを導入し、これにより前記二酸化炭素ガスと前記窒素ガスのみを前記水溶液に溶解させて、pH5〜pH6に調整した後、その水溶液をマイクロバブル発生装置に導通することによって、前記二酸化炭素ガスと前記窒素ガスを含む平均粒径0.05μm〜2μmの超微細気泡が前記水溶液中に長期間滞留している超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水を設け、この超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水を、噴霧手段を用いて対象物またはそれが存在する空間に噴霧し、噴霧したミストの有効塩素濃度が10ppm〜30ppm、pH5.0〜pH6.9となる環境を形成し、上記対象物またはそれが存在する空間の殺菌を行うことを特徴とする超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の使用方法。【請求項7】中空糸膜を内蔵した中空糸カートリッジ内で、所定量の水道水に二酸化炭素ガスと窒素ガスを導通させ、これにより前記中空糸膜を介して水道水に前記二酸化炭素ガスと前記窒素ガスのみを溶解させ、前記二酸化炭素ガスと前記窒素ガスを含む超微細気泡を有したpH5〜pH6の微酸性水溶液を調製した後、この微酸性水溶液に、電解次亜水あるいは次亜塩素酸ナトリウム水溶液を注入して、前記二酸化炭素ガスと前記窒素ガスを含む平均粒径0.05μm〜2μmの超微細気泡が前記水溶液中に長期間滞留しpH5〜pH6の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水を設け、この超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水を、噴霧手段を用いて対象物またはそれが存在する空間に噴霧し、噴霧したミストの有効塩素濃度が10ppm〜30ppm、pH5.0〜pH6.9となる環境を形成し、上記対象物またはそれが存在する空間の殺菌を行うことを特徴とする超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の使用方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】【0001】この発明は、二酸化炭素あるいは二酸化炭素と窒素ガス等を含む超微細気泡で、電解次亜水あるいは次亜塩素酸ナトリウム水溶液を微酸性に調整し、長期安定化した微酸性の次亜塩素酸水溶液とその製造方法及び使用方法に関する。【背景技術】【0002】電解次亜水は、食塩水を無隔膜電解槽で電気分解して生成される。その殺菌成分は次亜塩素酸イオン(ClO)であり、日本の厚生労働省により「提示した6条件に適合すれば、次亜塩素酸ナトリウムを希釈したものと同等である」と認められている。希薄食塩水や希塩酸を電気分解して製造するいわゆる電解水は、次亜塩素酸イオンを殺菌基盤とする電解次亜水と、次亜塩素酸(HOCl)を殺菌基盤とする次亜塩素酸水に大別される。【0003】次亜塩素酸ナトリウム(NaOCl)は食品添加物に指定されており、果実・野菜等各種食材の殺菌処理、各種食品の製造加工用の装置や器具、環境の衛生管理、あるいは飲料水・プール用水・浴場用水や下水の殺菌処理などに幅広く利用されている。次亜塩素酸ナトリウム水溶液の塩素成分は、水溶液のpHにより変化し、pH3.0以上の酸性水領域では次亜塩素酸として、アルカリ領域では次亜塩素酸イオンとして存在する。特に、微酸性領域(pH5.0〜pH6.5)では、揮発性塩素ガス(Cl)や次亜塩素酸イオンをほとんど含まず、次亜塩素酸イオンより殺菌力が強い次亜塩素酸のみとなる。次亜塩素酸の殺菌力は、次亜塩素酸イオンの約80倍強いことが報告されている。【0004】従って、電解次亜水を殺菌水として使用するためには、電解次亜水(あるいは次亜塩素酸ナトリウム水溶液)を微酸性領域にpH調整することが重要である。このpH調整には、無機酸、有機酸あるいは二酸化炭素が使われる。このうち、塩酸などの無機酸を電解次亜水(あるいは次亜塩素酸ナトリウム水溶液)と混合すると、有毒な塩素ガスを発生させる危険性がある。食品添加物用の乳酸や酢酸などの有機酸でpH調整をする場合には、密封状態で点滴ポンプを使用することにより安全性を確保することができ、この技術は実用化されている。【0005】二酸化炭素でpHを調整する方法としては、特許文献1に微酸性の塩素系殺菌水の製造方法として、次亜塩素酸ナトリウム水溶液に二酸化炭素をバブリングする方法が開示されている。特許文献2には、中空糸膜モジュールからなる二酸化炭素溶解器でpHを調整する方法が、微酸性殺菌剤の製造装置および製造方法として開示されている。二酸化炭素は、無味無臭の不活性ガスであり、素早く水に溶け、誤って加注入となっても急激なpH低下を呈することがなく、取扱い性に優れている。【0006】次に、食塩を電気分解して生成する強酸性電解水(強酸性を示す次亜塩素酸水)の安定性について説明する。強酸性電解水は、室温保存する場合には、遮光密封保存が原則であり、その限度も60日程度であることが知られている。また、密封容器のみでは15日以内、開放容器に保存する場合には32時間を目安とすることが望ましいとされている。従って、強酸性電解水は、熱に不安定で、長期間の保存は難しいのが現状である。一方、希塩酸を電気分解した微酸性電解水を密閉にて貯蔵した場合、他の要因に関係なく、14日間pHと有効塩素濃度は食品添加物認可範囲を維持できるとした報告もある。【先行技術文献】【特許文献】【0007】【特許文献1】特開平10−24294号公報【特許文献2】特開2004−307405号公報【発明の概要】【発明が解決しようとする課題】【0008】電解次亜水(あるいは次亜塩素酸ナトリウム水溶液)は、特許文献1、特許文献2に開示されているように、二酸化炭素を使用してpH調整をすることにより、高い殺菌力を持つ微酸性次亜塩素酸水溶液とすることができる。しかし、微酸性次亜塩素酸水溶液は、熱には不安定で、冷暗所に密封容器で保存しても、長期間有効塩素濃度を保持するのは難しいという欠点がある。従って、用時調製が望ましいとされており、この欠点を克服する技術開発が求められている。【0009】この発明は、上記背景技術の問題点に鑑みてなされたもので、市販の機器を使って製造する事ができ、高い殺菌効果を長時間保持することができる、微酸性化した電解次亜水あるいは次亜塩素酸ナトリウム水溶液(以下、この発明では微酸性次亜塩素酸水溶液と称す。)の製造方法及び使用方法を提供することを目的とする。【課題を解決するための手段】【0010】この発明は、所望の有効塩素濃度に調整した電解次亜水あるいは次亜塩素酸ナトリウムを含む水溶液に、二酸化炭素ガスボンベから二酸化炭素ガスを導入し、窒素ガスボンベから窒素ガスを導入し、これにより前記二酸化炭素ガスと前記窒素ガスのみを前記水溶液に溶解させて、pH5〜pH6に調整した後、その水溶液をマイクロバブル発生装置に導通することによって、前記二酸化炭素ガスと前記窒素ガスを含む平均粒径0.05μm〜2μmの超微細気泡を、前記水溶液中に形成する超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の製造方法である。【0011】前記マイクロバブル発生装置は、前記水溶液を加圧した後マイクロバブル発生ノズルに通して、超微細気泡を前記水溶液中に発生させるものである。【0012】またこの発明は、中空糸膜を内蔵した中空糸カートリッジ内で、所定量の水道水に二酸化炭素ガスと窒素ガスを導通させ、これにより前記中空糸膜を介して水道水に前記二酸化炭素ガスと前記窒素ガスのみを溶解させ、前記二酸化炭素ガスと前記窒素ガスを含む超微細気泡を有したpH5〜pH6の微酸性水溶液を調製した後、この微酸性水溶液に、電解次亜水あるいは次亜塩素酸ナトリウム水溶液を注入して、前記二酸化炭素ガスと前記窒素ガスを含む平均粒径0.05μm〜2μmの前記超微細気泡を含有しpH5〜pH6の微酸性次亜塩素酸水溶液を製造する超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の製造方法である。【0013】またこの発明は、所望の有効塩素濃度に調整した電解次亜水あるいは次亜塩素酸ナトリウムを含む水溶液に、二酸化炭素ガスボンベから二酸化炭素ガスを導入し、窒素ガスボンベから窒素ガスを導入し、これにより前記二酸化炭素ガスと前記窒素ガスのみを前記水溶液に溶解させて、pH5〜pH6に調整した後、その水溶液をマイクロバブル発生装置に導通することによって、前記二酸化炭素ガスと前記窒素ガスを含む平均粒径0.05μm〜2μmの超微細気泡が前記水溶液中に長期間滞留している超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を設け、この超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を、有効塩素濃度1ppm〜20ppm、pH5.0〜pH6.7に調整して容器に注入し、切花を前記微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液中に差して水揚げを行う超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の使用方法である。【0014】またこの発明は、中空糸膜を内蔵した中空糸カートリッジ内で、所定量の水道水に二酸化炭素ガスと窒素ガスを導通させ、これにより前記中空糸膜を介して水道水に前記二酸化炭素ガスと前記窒素ガスのみを溶解させ、前記二酸化炭素ガスと前記窒素ガスを含む超微細気泡を有したpH5〜pH6の微酸性水溶液を調製した後、この微酸性水溶液に、電解次亜水あるいは次亜塩素酸ナトリウム水溶液を注入して、前記二酸化炭素ガスと前記窒素ガスを含む平均粒径0.05μm〜2μmの超微細気泡が前記水溶液中に長期間滞留しpH5〜pH6の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を設け、この超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を、有効塩素濃度1ppm〜20ppm、pH5.0〜pH6.7に調整して容器に注入し、切花を前記微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液中に差して水揚げを行う超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の使用方法である。【0015】またこの発明は、所望の有効塩素濃度に調整した電解次亜水あるいは次亜塩素酸ナトリウムを含む水溶液に、二酸化炭素ガスボンベから二酸化炭素ガスを導入し、窒素ガスボンベから窒素ガスを導入し、これにより前記二酸化炭素ガスと前記窒素ガスのみを前記水溶液に溶解させて、pH5〜pH6に調整した後、その水溶液をマイクロバブル発生装置に導通することによって、前記二酸化炭素ガスと前記窒素ガスを含む平均粒径0.05μm〜2μmの超微細気泡が前記水溶液中に長期間滞留している超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水を設け、この超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水を、噴霧手段を用いて対象物またはそれが存在する空間に噴霧し、噴霧したミストの有効塩素濃度が10ppm〜30ppm、pH5.0〜pH6.9となる環境を形成し、上記対象物またはそれが存在する空間の殺菌を行う超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の使用方法である。【0016】またこの発明は、中空糸膜を内蔵した中空糸カートリッジ内で、所定量の水道水に二酸化炭素ガスと窒素ガスを導通させ、これにより前記中空糸膜を介して水道水に前記二酸化炭素ガスと前記窒素ガスのみを溶解させ、前記二酸化炭素ガスと前記窒素ガスを含む超微細気泡を有したpH5〜pH6の微酸性水溶液を調製した後、この微酸性水溶液に、電解次亜水あるいは次亜塩素酸ナトリウム水溶液を注入して、前記二酸化炭素ガスと前記窒素ガスを含む平均粒径0.05μm〜2μmの超微細気泡が前記水溶液中に長期間滞留しpH5〜pH6の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水を設け、この超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水を、噴霧手段を用いて対象物またはそれが存在する空間に噴霧し、噴霧したミストの有効塩素濃度が10ppm〜30ppm、pH5.0〜pH6.9となる環境を形成し、上記対象物またはそれが存在する空間の殺菌を行う超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の使用方法である。【発明の効果】【0017】この発明の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の製造方法及び使用方法によれば、長期間の保存が可能な超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を、市販の装置で簡単に作ることができ、高い殺菌効果を有し、食品添加物として認可された殺菌料を提供することができる。超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液は、市販のペットボトル程度の密栓中で熱安定性にも優れ、40℃程度以下の環境下で1年間以上の長期間の保存が可能であり、使用の都度生成する必要がなく、好都合である。また。pH5.0付近の微酸性であるため、機器類が錆びる問題も少なく、取り扱いが容易で、いろいろな使用方法が可能であり、優れた殺菌・除菌効果をもたらすことができる。さらに、遮光・密封容器を使えば、熱安定性に優れ、かつ長期間の保存が可能であることで、地球上のいかなる地域へも搬送して、食材の除菌や衛生管理、代用農薬や医療分野の殺菌料などに使用できる。【図面の簡単な説明】【0018】【図1】この発明の一実施形態の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の製造装置の概念図である。【図2】この発明の一実施形態の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液に形成されるマイクロバブルの写真であって、マイクロバブルの生成直後(a)、数十秒経過後(b)、数分経過後(c)における超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を示す写真である。【図3】この発明の他の実施形態の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の製造装置の概念図である。【図4】この発明の実施例で用いた超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液であって、50℃・314日間保存した溶液(原液)のUV吸収スペクトルを測定し塩素分子種の確認を行った図である。【図5】この発明の実施例で用いた超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液であって、図4で用いた試料を希薄な水酸化ナトリウム液でpH9.5に調整したもののUV吸収スペクトルの図である。【図6】この発明の実施例で用いた超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液であって、図5の試料を希塩酸でpH5.5に調整したもののUV吸収スペクトルを測定した図である。【図7】この発明の実施例で用いた超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液であって、30℃・602日間保存した溶液(原液)のUV吸収スペクトルを測定し塩素分子種の確認を行った図である。【図8】この発明の実施例で用いた超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液であって、図7の試料を希薄な水酸化ナトリウム液でpH9.5に調整したもののUV吸収スペクトルを測定した図である。【図9】この発明の実施例で用いた超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液であって、図8の試料を希塩酸でpH5.5に調整したもののUV吸収スペクトルを測定した図である。【図10】この発明の実施例で用いた超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液であって、開放系で10℃・4日間保存した溶液(原液)のUV吸収スペクトルを測定した図である。【図11】この発明の実施例で用いた超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液であって、開放系で30℃・4日間保存した溶液(原液)のUV吸収スペクトルを測定した図である。【発明を実施するための形態】【0019】以下、この発明の実施形態について説明する。この発明の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液は、気体の二酸化炭素と窒素ガスの混合気体を電解次亜水(あるいは次亜塩素酸ナトリウム水溶液)に溶解させ、pH5.0付近の微酸性領域にpH調整された次亜塩素酸を含む水溶液である。二酸化炭素ガスと窒素ガスは、例えば、液中に長期間滞留する平均粒径112nm〜558nm(粒子数2.3×10/ml〜4.7nm×10/ml)の超微細気泡となって存在する。【0020】この発明で用いられる二酸化炭素は、無味無臭の不活性ガスであり、素早く水に溶け、誤って加注入となっても急激なpH低下を呈することがないなど取扱い性に優れている。二酸化炭素を使用して、次亜塩素酸を含む水溶液のpHを調整することができ、微酸性次亜塩素酸水溶液とすることができる。二酸化炭素以外に超微細気泡の安定性を確保するための適用可能な気体としては、窒素ガスやアルゴンガス等の不活性気体を用いることもできる。これらの気体は、液体に溶かした時に液体のpHを酸性領域に移行させるものではない。例えば、実験結果は後述するが、マイクロバブル発生装置で、乳酸で調製した微酸性次亜塩素酸水溶液に空気マイクロバブルを溶解させ、超微細気泡含有微酸性次亜水溶液を調製できるが、得られた溶液の安定性は乳酸で調製した微酸性次亜塩素酸水溶液と大差なかった。従って、二酸化炭素ガスと窒素ガス等の超微細気泡を含有する微酸性次亜塩素酸水溶液が、長期間において熱にも安定な殺菌料となるものである。【0021】この発明の実施形態の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の製造装置10としては、図1に示すように、二酸化炭素ガスボンベ12と窒素ガスボンベ14、電解次亜水生成装置16(例えば、アクアライザーT30(有)ヘルス製)と、加圧溶解型マイクロバブル発生装置18(例えば、プログレス750型(株)シンワ製)とにより構成される。このマイクロバブル発生装置18は、例えば微酸性次亜塩素酸水である水溶液を加圧状態にした後、図示しないマイクロバブル発生ノズルに通して加圧・減圧状態を形成し、超微細気泡を前記水溶液中に発生させるものである。使用する電解次亜水は、電解次亜水生成装置16で生成した原液(有効塩素濃度7000ppm、pH8.3)を、有効塩素濃度約50ppmに水道水で希釈したものを使用する。二酸化炭素ボンベ12の二酸化炭素ガスは2NL/min、窒素ガスボンベ14の窒素ガスは1NL/minの通気量で、有効塩素濃度約50ppmの上記電解次亜水に入れる。【0022】マイクロバブル発生装置18を用いることにより、直径が50μm以下のマイクロバブルを含有する微酸性次亜塩素亜水溶液を調製することが出来る。微細気泡であるマイクロバブルは、液中での上昇速度が遅く、その寿命は通常のバブリングで発生させる泡よりも長い。マイクロバブルは、図2(a)に示すように、発生直後の溶液は乳濁しているのが特徴である。このマイクロバブルは、数十秒後には消失し(図2(b))、最終的には透明な溶液となる(図2(c))。また、マイクロバブルは、比較的大きい面積で対象物に接触し、気泡量が著しく多量となる。このことから、溶解している次亜塩素酸による殺菌効果を著しく強力にすることができると考えられる。これは、後述するカット野菜の除菌処理で、優れた除菌効果と除菌持続効果を与えたことから確認された。【0023】次に、この実施形態の製造装置10により製造される超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液20に含有するナノバブルについて説明する。ナノバブルの定義は定まってはいないが、一般的には粒径1μm以下のナノメートル(nm)単位の気泡がナノバブルと呼ばれる。気泡が極小のため、発生させても肉眼では透明な水に見えるのが特徴である。ナノバブルを製造する技術としては、マイクロバブルを圧壊させて生成する技術、シラスポーラスガラス膜を用いて生成する技術が知られている。しかし、マイクロバブルを圧壊させて生成するには、大がかりな装置が必要と言われている。これに対して、図1に示すこの実施形態の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の製造装置10は、市販の二酸化炭素ガスボンベ12と窒素ガスボンベ14、電解次亜水生成装置16とマイクロバブル発生装置18を用いて、二酸化炭素ガスと窒素ガスを含むナノバブルを含有する超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液20を製造することができるものである。【0024】この実施形態の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液20によれば、20℃・210日間と30℃・391日間保存した溶液に、平均粒径112nm〜558nmのナノバブルが1.2×10/ml〜4.7×10/ml含まれることを確認した。確認実験として、マイクロバブル発生装置18で二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液20を生成後、室温で約30分間放置した後の分析では、平均粒径154nm〜558nmのナノバブルが計測できた。【0025】次に、この実施形態の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の使用方法について説明する。超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液は、殺菌効果があり使用方法は様々であり、流水による洗浄、散布、塗布その他液体に適用されるあらゆる用途に適用することができる。食材の殺菌・除菌、あるいは食品加工工場の衛生管理に使用しても安全であり、カット野菜等を超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液に浸漬処理して、野菜等の表面にバイオフィルムとして生残する微生物の除菌にも優れた効果がある。【0026】特に、この発明による超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液は、長期保存が可能という特徴を有するので、この特徴を生かした使用方法が有益である。例えば、切花の茎に供給する水として使用するものである。切花の水揚げを妨げる要因として細菌類の増殖による切り花茎の腐敗や導管閉鎖があげられるが、超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液に切花の茎を漬けることにより、水揚げを促進する効果がある。この場合、超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を有効塩素濃度1ppm〜20ppm、好ましくは5ppm〜20ppm、pH5.0〜pH6.7に調整し、バケットに注入し、切花を超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液に挿すものである。これによって、切り花の揚げ水に接触するプラスチック製バケットの内壁面が殺菌され、切花の水揚げを促進し、切花を長持ちさせる効果をもたらす。【0027】また、超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を加湿器等の噴霧手段を用いて、対象とする領域空間に噴霧して空気の除菌を行うことができる。この時、空間に噴霧されたミスト中の有効塩素濃度が10ppm〜30ppm、pH5.0〜pH6.7となるように設定し、空間の殺菌を行う。この使用方法は、超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を噴霧した領域を密閉状態で確保できれば、あたかもガス薫蒸したものと同様の環境に数十日間保持することができる。また、インフルエンザやノロウィルス等の感染症を予防する殺菌料として使用することができる。【0028】次に、この発明の他の実施形態の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の製造装置22について、図3に基づいて説明する。ここで、上記実施形態と同様の部材は同一の符号を付して説明を省略する。この製造装置22は、ナノバブルの二酸化炭素ガスと窒素ガスを含有させた超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液20を、中空糸膜(4×13スーパーフォビック外圧型(セルガード(株)社製))を用いて容易に生成するものである。この装置では、図3に示すように、流量計28により水道水26の流量がコントロールされて、所定量の水道水が中空糸カートリッジ24に送られる。中空糸カートリッジ24内には、二酸化炭素ガスボンベ12と窒素ガスボンベ14から、二酸化炭素ガス・窒素ガスの混合ガスが水道水26とは対向流方向に供給される。中空糸カートリッジ24内では、中空糸膜を介して二酸化炭素ガス・窒素ガスを含む気体が水道水26に注入され、二酸化炭素あるいは二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡を含有する微酸性の水道水が調製される。この溶液に、電解次亜水生成装置16から電解次亜水を点滴ポンプ30で注入し、スタティックミキサー32により混合する。かくして、生成直後の二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡を含有する微酸性次亜塩素酸水溶液20が、透明な液体として製造される。【0029】この製造装置22では、例えば二酸化炭素ガス(3NL/min)・窒素ガス(1.5NL/min)の通気量で中空糸カートリッジ24に送り、水道水が逆方向から流量:10L/minで流れる。これにより、中空糸カートリッジ24内で、水道水に二酸化炭素ガス・窒素ガスの混合ガスが溶解する。続いて、この溶液に電解次亜水を750ml/minで注入して、二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡を含有する微酸性次亜水溶液を製造することができる。この製造装置22では、二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡が電解次亜水に確実に形成されることにより、次亜塩素酸イオンによる中空糸膜の劣化を避けるために、中空糸カートリッジ24の下流側に電解次亜水生成装置16が設けられている。【0030】得られた二酸化炭素超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液20(有効塩素濃度:50ppm、pH5.5)は、約1時間室温に放置した後にナノバブルの粒径分析をしたところ、平均粒子径:94nm〜155nm、粒子数:1.6×10/ml〜3.6×10/mlの超微細気泡を含有していた。【0031】なお、この発明の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液とその製造方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、超微細気泡は2μm以下の超微細気泡を含むもので、好ましくは1μm以下のナノバブルを含むものであれば良く、微酸性次亜塩素酸水溶液中に長期間含有され、微酸性次亜塩素酸水溶液を長期間微酸性領域に維持可能な超微細気泡を含有したものであれば良い。【実施例】【0032】次に、この発明の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の密封した環境での安定性について試験を行った結果を示す。超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の製造は、図1に示す装置を用いた。電解次亜水は、電解次亜水生成装置16(前記アクアライザーT30)で生成した原液(有効塩素濃度7000ppm、pH8.3)を有効塩素濃度約50ppmに水道水で希釈したものを使用した。二酸化炭素ガスボンベの二酸化炭素ガスは2NL/min(あるいは二酸化炭素ガス2NL/minと窒素ガスボンベの窒素ガスは1NL/min)の通気量で、有効塩素濃度約50ppmの電解次亜水に入れ、マイクロバブル発生装置18(前記プログレス750)内で、超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を製造した。かくして、二酸化炭素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液と、二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を調製して、安定性試験に供した。また、電解次亜水を水道水で希釈し、乳酸でpHを微酸性に調整して、超微細気泡を含有しない微酸性次亜塩素酸水溶液(乳酸微酸性次亜塩素酸水溶液)を調製し、対照区の溶液として安定性試験を行った。【0033】二酸化炭素超微細気泡あるいは二酸化炭素ガスと窒素ガスの超微細気泡を含有する微酸性次亜塩素酸水溶液と、乳酸微酸性次亜塩素酸水溶液を、それぞれ2L容量のペットボトルに入れて密栓し、10℃、20℃、30℃、40℃、50℃、60℃の恒温器に静置して、有効塩素濃度とpHの経時変化を測定した。有効塩素濃度の測定には柴田科学社製の有効塩素濃度測定器AQ−102Pを、pHの測定には佐藤計量器製pHメーターSK−620PHを、塩素成分の分子種同定には(株)日立製作所製の自記分光光度計U−3210を、ナノバブル粒子測定にはナノサイト社製のナノ粒子解析システムLM10を使用した。【0034】二酸化炭素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の有効塩素濃度とpHの経時変化の結果を、10℃〜30℃については表1に、40℃〜60℃については表2に示す。なお、NTは未測定である。【0035】【表1】

【0036】【表2】

【0037】同様にして、二酸化炭素ガスと窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の有効塩素濃度とpHの経時変化の結果を、10℃〜30℃については表3に、40℃〜60℃については表4に示す。【0038】【表3】

【0039】【表4】

【0040】対照区とした、従来製法による乳酸微酸性次亜塩素酸水溶液の有効塩素濃度とpHの経時変化の結果を、10℃〜30℃については表5に、40℃〜60℃については表6に示す。【0041】【表5】

【0042】【表6】

【0043】以下、表1〜表6の結果を説明する。表1、表2のごとく、二酸化炭素超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液は、314日間の遮光・密封保存下、10℃〜40℃で70.8%以上、50℃で37.5%の有効塩素濃度の残存率を示し、60℃・195日間で2.1%の有効塩素濃度の残存率を認めた。二酸化炭素ガスと窒素ガス超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液は、表3、表4に示したように、いわゆる室温下保存条件に相当する20℃と30℃で、遮光・密封保存下では602日後も、有効塩素濃度残存率は72.2%と44.4%をそれぞれ示した。これらの結果から、二酸化炭素超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液よりも、二酸化炭素ガスと窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の方が、より熱安定性に優れ、高い有効塩素濃度を維持し、長期間安定していることが分った。対照区の乳酸でpH調整した超微細気泡を含有しない微酸性次亜塩素酸水溶液は、表5、表6のごとく、有効塩素濃度は30℃・11日後、50℃・5日間で消失した。以上の結果から、二酸化炭素ガスと窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液が長期の保存性に優れていることにあることが確かめられた。【0044】続いて、電解次亜水の高有効塩素濃度(約200ppm)を使い、前記と同様の方法で二酸化炭素ガスと窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を調製した。同様に、高有効塩素濃度の乳酸微酸性次亜塩素亜酸水溶液を調製後、マイクロバブル発生装置18(前記プログレス750)に導通して、空気の超微細気泡含有乳酸微酸性次亜塩素酸水溶液を調製し、ペットボトルに入れて、遮光・密封下での経時変化を調べた。表7には二酸化炭素ガスと窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の経時変化を、表8には空気の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の経時変化を示した。【0045】【表7】

【0046】【表8】

【0047】有効塩素濃度200ppmの二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液は、表7に示すごとく、60℃・20日間保存でも安定して有効塩素濃度を保持している。ところが、表8のように、乳酸微酸性次亜塩素酸水溶液に空気のナノバブルを溶解させて調製しても、有効塩素濃度は明らかに減少した。このことは、二酸化炭素超微細気泡を電解次亜水(あるいは次亜塩素酸ナトリウム水溶液)に溶解させて、微酸性領域に調整することが、1年以上の長期間にわたる安定性を付与するために必要であることを示唆している。【0048】次に、この発明の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液のUV吸収スペクトルを測定し、溶液中の塩素分子種の確認を行った。測定には、二酸化炭素超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を密閉状態で10℃〜50℃にて314日間保存した溶液と、60℃・90日間保存した溶液を使った。その結果は全て同一スペクトルなので、50℃・314日間保存溶液のUV吸収スペクトルを使い説明する。図4図6に示しように、超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液のUV吸収スペクトルは全試料で236nm付近に弱い吸収を認め、希薄な水酸化ナトリウムでpH9.5に調整したUV吸収スペクトルは、新たに292nm付近に極大吸収を示した。そして、pH9.5に調整した試料を希塩酸で再度pH5.5に調整すると、292nmの吸収は消失し、236付近に弱い吸収が認められた。このことから、二酸化炭素超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を10℃〜50℃にて314日間保存した溶液と60℃・90日間保存した溶液の塩素成分分子種は、殺菌力が強い次亜塩素酸であると判定した。【0049】同様に、二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の塩素分子種を同定するため、UV吸収スペクトルを測定した。図7図9には、30℃・602日間保存試料の測定結果である。試料溶液は232nm付近の弱い吸収と292nmに微弱な吸収が見られ、pH9.5に調整すると292nmの極大吸収のみとなり、再度pH5.5に調整すると292nmの吸収は消失し、236nm付近に弱い吸収が見られた。この結果から、本試料の塩素分子種は、極微量の次亜塩素酸イオンを含む次亜塩素酸と判定した。なお、20℃・602日、50℃・376日、60℃・230日間保存溶液のUV吸収スペクトルは全て30℃・602日間保存のそれと同じであった。【0050】この発明では、二酸化炭素ガス・窒素ガスをナノバブル化して電解次亜水に溶解させた結果、塩素形態を殺菌力の強い次亜塩素酸にして、熱と長期間の保存性が著しく改善したと説明した。この理由を明らかにするため、上記経時変化実験に使った保存溶液中のナノバブル粒径分析をした。その結果は表9に示した。【0051】【表9】

【0052】表9の結果から、20℃・210日間、20℃・391日間と30℃・391日間保存した超微細気泡含有微酸性次亜水溶液には、平均粒径112nm〜558nmのナノバブルが1.2×10/ml〜4.7×10/ml検出された。また、マイクロバブル発生装置18(前記プログレス750)で二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を生成後、室温で約30分間放置後の溶液には、平均粒径154nm〜332nmのナノバブルが、1.2×10/ml〜7.8×10/ml計測できた。中空糸カートリッジ24で二酸化炭素超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を調整し、約1時間室温に放置した後では、平均粒径94nm〜291nmのナノバブルが、1.1×10/ml〜3.6×10/ml検出できた。中空糸カートリッジ24使用の方がマイクロバブル発生装置18で調製したより、ナノバブルの平均粒径は小さいことが解った。これらの知見から、超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の長期間の安定化には、二酸化炭素ガスと窒素ガスがナノバブルとして電解次亜水に溶解していることが必要であると考えられる。【0053】次に、この発明の二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の開放した状態での安定性について試験を行った。試料は、上記表7に示した試験と同じ調製法の二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液(有効塩素濃度:200ppm、pH5.7)を使用した。なお対照区としては、電解次亜水を乳酸で微酸性に調整し、超微細気泡を含有しない微酸性次亜塩素酸水溶液(有効塩素濃度:176ppm、pH5.7)を使用した。各試料を、タッパーウエアに600mlずつ分注してアルミホイルを被せた後、10℃と30℃の恒温器に静置し、経時変化を調べた。この試験の結果を、表10に示した。【0054】【表10】

【0055】表10によれば、対照区の乳酸微酸性次亜塩素酸水溶液は、30℃保存では有効塩素農は1日後には46.6%に減少し、4日後には殆どが消失していたことが分かる。このことから、この発明の二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液は、開放した状態での安定性も比較的優れていることが分かった。【0056】なお、この発明の二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液は、10℃保存では4日目98.5%が残存し、30℃・4日間保存では77.5%が残存していた。UVスペクトル解析から、図10に示すごとく、10℃保存の4日目では、次亜塩素酸と次亜塩素酸イオンの混在が認められた。30℃保存の4日目では、図11に示すごとく、次亜塩素酸イオンの存在が確認された。この結果、超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液のように二酸化炭素を溶解させて微酸性にpHを調整すると、塩素成分の形態は次亜塩素酸となる。そして、この次亜塩素酸の分解は非常に少なく、二酸化炭素が放出されるに従い次亜塩素酸イオンに可逆することを示唆している。【0057】次に、この発明の二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の、各細菌に対する殺菌効果について試験を行った。各細菌はソイビーン・カゼイン・ダイジェスト培地(ダイゴ、日本新薬(株)製)で37℃一夜培養後、生理食塩水で十分洗浄した。試料は、上記の安定性の試験に使用したこの発明の二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を10℃で40日間保存した溶液(有効塩素濃度12.8ppm、pH5.9)と、60℃で40日間保存した溶液(有効塩素濃度13ppm、pH6.1)で試験を行った。この2種類の超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液で、菌数が10〜10となるように希釈し、この時添加菌液量1%以内とし、1分間放置後、ソイビーン・カゼイン・ダイジェスト培地1mlを加え、10,000rpmで遠心分離後、生理食塩水1mlに再懸濁し、連続希釈法で生菌数をソイビーン・カゼイン・ダイジェスト寒天培地(ダイゴ、日本新薬(株)製)で測定し、殺菌効果を確認した。その結果を、表11に示した。【0058】【表11】

【0059】表11によれば、この発明による二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液は、60℃・40日間で保存した場合でも、これを殺菌水として使用することにより、被検菌を全て死滅させることができた。これにより、この発明の二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液は、熱安定性に優れ、高い殺菌効果を長期間維持することを確認した。【0060】次に、この発明の二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の、カット野菜に対する除菌効果について試験を行った。カット野菜は、長さ約5cmに裁断した水菜と、千切りキャベツを使用した。試験方法は、この発明の二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液に、カット野菜を3分間浸漬処理し、無菌水で洗浄した後、カット野菜25gをストマッカー用滅菌ポリ袋3個に各々入れ、冷蔵庫に保管した。同様に、未処理のカット野菜25gをストマッカー用滅菌ポリ袋3個に各々入れ、冷蔵庫に保管した。冷蔵庫保管の1個を取り出して室温(約15℃)に戻し、滅菌生理食塩水225mlを加え、ストマッカーで30秒ホモゲナイズし、生菌数検査をした。同様に、冷蔵庫で24時間、48時間それぞれ保管したものについて生菌数検査をした。一般細菌は、トリプトソイ寒天培地(栄研化学(株))を使用し、大腸菌・大腸菌群はECコリマーク寒天培地(栄研化学(株))を使用して、24時間培養後生菌数を測定した。なお、水菜の処理に使用した二酸化炭素ガス・窒素ガス超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液は有効塩素濃度50ppm、pH5.2であり、3分間浸漬処理した後は50ppm、pH5.4であった。千切りキャベツの処理に使用した二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液は有効塩素濃度48ppm、pH5.4であり、3分間浸漬処理した後は45ppm、pH5.5であった。この試験の結果を、表12に示した。【0061】【表12】

【0062】表12によれば、未処理区の水菜では10個台の、千切りキャベツでは10個台の一般細菌が検出されるが、この発明による二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液で3分間浸漬処理することで、水菜では10個台に、千切りキャベツでは10個台に減少し、3分間の浸漬で効果的に除菌できることを確認した。また、この除菌効果は48時間持続することを確認した。【0063】次に、この発明の二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の、市販加湿器により空中に噴霧する場合の殺菌効果について試験を行った。使用する二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液は、有効塩素濃度28ppm、pH5.1である。この二酸化炭素ガス・窒素ガス超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を、市販加湿器を用いて噴霧し、発生する霧状ミストを集め、有効塩素濃度を計測したところ、約20ppmであった。このことから、この発明の二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液は、噴霧手段を用いて対象物又はそれが存在する領域に噴霧するだけで、所望の有効塩素濃度を保持することが分かった。【0064】次に、この発明の二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の噴霧による殺菌効果について試験を行った。この試験は、二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を、20℃に110日間保存したもの(有効塩素濃度52ppm、pH6.2)を使用し、約600,000cm(間口132×奥行き67×高さ72cm)の密閉空間に3分間噴霧し、噴霧したミストの有効塩素濃度が30ppm、pH6.4となる環境を形成した。上記噴霧後2日を経過したのちソィビーン・カゼイン・ダイジェスト寒天平板を30分間開放する落下法で、落下細菌を試験した。その結果、平板1枚当たり0〜2個の細菌が検出された。なお、噴霧後二酸化炭素ガスが消失して、pHが多少上昇してもよく、pH5.0〜pH6.7が有効な範囲と判断される。【0065】次に、この発明の二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の、市販加湿器により空中に噴霧した場合の有効塩素濃度について試験を行った。使用する加湿器は、超音波式加湿器AHD−010((株)アピックスインターナショナル製)と、スチームファン式加湿器KX−235m((株)シー・シー・ピー製)の2種類である。試料は、この発明の二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液(有効塩素濃度28ppm、pH5.1)である。各加湿器に試料である二酸化炭素ガス・窒素ガス超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を入れて稼働する。各加湿器の噴霧口から発生した霧状の二酸化炭素ガス・窒素ガス超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液をビニール袋に集め、しずくとなった部分にクロール試験紙(10〜50ppm測定用、アドバンテック東洋(株)製)にて残留塩素濃度を測定した。この結果、超音波式加湿機では約20ppmの有効塩素濃度を確認したが、スチームファン式加湿機では約1ppm程度しか検出できなかった。【0066】さらに、この発明の二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の、超音波式加湿器AHD−010((株)アピックスインターナショナル製)により空中に噴霧する場合の殺菌効果について試験を行った。予めソイビーン・カゼイン・ダイジェスト培地(日本新薬(株)製)で37℃一夜培養した黄色ブドウ球菌(Staphylococous aureus 209PJC−1)を生理食塩水で洗浄し、1.3×10/ml菌液を調整した。次に、アルミ製のトレー上に面積25cmの円を二つ描き、この二つの円内に前記菌液を0.1ml広げ、クリーンベンチ(日立社製PCV−750AP)内で自然乾燥した。続いて、一つの円にぺたんチェック25標準寒天培地(栄研化学(株)製)をスタンプして無処理区とした。このトレーは、クリーンベンチ内につるした。クリーンベンチ内には超音波加湿器AHD−010((株)アピックスインターナショナル製)を置き、二酸化炭素ガス・窒素ガス超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液(有効塩素濃度28ppm、pH5.1)を3分間噴霧し、加湿器から放出されたミストにトレーが囲まれるのを確認した。次に、トレー上の残りの一つの円にぺたんチェック25標準寒天培地(栄研化学(株)製)をスタンプして処理区とした。得られた二つのぺたんチェック25標準寒天培地(栄研化学(株)製)は37℃で一夜培養し生菌数を測定した。この試験の結果を、表13に示した。【0067】【表13】

【0068】表13によれば、無処理区のぺたんチェック25標準寒天培地上には、菌数の測定が不能(無限大)の微生物増殖として認められたが、この発明による処理区のぺたんチェック25標準寒天培地上には、黄色ブドウ球菌がぺたんチェック25(面積:25cm)当たり135集落の増殖を計測した。これによりこの発明の二酸化炭素ガス・窒素ガス超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液は、超音波加湿器で空中に噴霧することにより、高い殺菌効果があることが分った。【0069】次に、この発明の二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液による、切花の水揚げ促進効果について試験を行った。切花を長く日持ちさせるためには、水揚げの良否が最も重要なポイントといわれている。そして、切花の水揚げを妨げる要因として細菌類の増殖により切花茎の腐敗や導管閉塞があげられる。なお、この問題を解決するため、硝酸銀や硫酸アルミニウム等の抗菌剤・静菌剤や有機酸を添加した鮮度保持剤、あるいは切花の老化に関与するエチレン発生阻害活性を持つSTS(チオ硫酸銀錯塩)が切花延命剤として市販されている。一方、食塩、塩化カリウムあるいは塩酸等の溶液を電気分解して生成する次亜塩素酸水の切花日持ち効果に関する技術がある。【0070】使用する切花は、ベトナム産白色スプレー菊(以下、キク切花と称す)である。試料は、この発明の二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の有効塩素濃度10ppm区と、20ppm区とし、対照区として水道水を使用した。試験方法は、プラスチック製バケット(縦40cm×横30cm)に、7リットルの二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液(有効塩素濃度10ppm区、有効塩素濃度20ppm区、いずれもpH5.0)をそれぞれ注入した。キク切花は、3本を1組とし、各処理区に3組ずつ挿した。対照区として、水道水7リットルを使い、同様に試験を行った。試験期間中は、バケットを室温(約15℃)で、自然光条件下に静置した。そして、有効塩素濃度とpHの測定を行い、その結果を表14に示した。また、同時に水揚げ量の測定を行い、その結果を表15に示した。水揚げ量は、試験開始時の切り花重量から4日後と8日後の重量を差し引くことで評価した。すなわち、差引重量の値が小さければ水揚げ量が大きいと判定される。【0071】【表14】

【0072】表14によると、キク切花の水揚げ実験に使用した本発明の二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の有効塩素濃度は数日を経過すると低下する傾向が見られ、それに伴ってpHも変化するが、8日程度では、なお、有効な濃度を保っていることが分かる。【0073】【表15】

【0074】表15によると、対照区は4日後減少量B/Aが13%を超え、8日後になると減少量C/Aが16.3%を示す。これに対して、この発明の二酸化炭素ガス・窒素ガス超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液による場合、10ppmで4日後減少量B/Aが19.6%、8日後減少量C/Aは12.7%、20ppmで4日後減少量B/Aが12.9%、8日後減少量C/Aは16.6%であった。これらにより、この発明の二酸化炭素ガス・窒素ガスの超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液を切花に使用することによって、水揚げを促進し、延命効果を図ることができる。【符号の説明】【0075】10 超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液の製造装置
12 二酸化炭素ガスボンベ
14 窒素ガスボンベ
16 電解次亜水生成装置
18 マイクロバブル発生装置
20 超微細気泡含有微酸性次亜塩素酸水溶液【図1

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